夢を見た
そう久しぶりに夢を見た
もう夢なんて見ないような
毎日を繰り返していた

機械的に寝る
もう疲れを取るためかどうかも
分からなくなっていた

でも、どうしてだろう

突然に彼女の夢を見た
彼女は笑っていたのかな
それとも怒っていたのかな

彼女の顔が目の前にふと浮かんだ瞬間
僕は眼を覚ました

でも、彼女はいったい誰だったんだろう
思いだそうとしても、もう思い出せない

そう、あのぬくもりも
電話ごしの少しくすぐったいような声も
彼女と出会えた偶然の奇跡も

そうやって
少しずつ忘れていってしまうのかな

忘れたくないよ…
忘れたくないんだ

でも、大切なその記憶は少しずつ少しずつ
体温を失っていく

そして、輝きも色あせ
いつしか白黒写真のように
ノスタルジーだけが残るんだ

忘れたくない、忘れたくないんだ

今一度、夢を見てもいいかな