2017-09-24 花瓶 ポエム 詩 ほしとかぜ 冷たく、ヒンヤリとした陶器の花瓶が言う 「死を思え」 誰に向けてではなくその言葉を外へと発散している しかし、その冷気はそれとは裏腹にとても美しい 生けられた花が野生の精気をたたえたままただその冷気によってか美しくそこにあり 静かに静かにゆっくりと朽ち果てていく 枯れ落ちた花弁の一枚にさえその美しさは宿っていて朽ち果ててもなおそれを讃えている 「死を思え」 きっと次に生けられる花もこのように美しく散って行くのだろう