2017-09-10 朝食 ショートショート Bitter Sweet ある晴れた日 窓に斜めに射し込む朝日で、食卓の上に長い影がのびる。 ざらついた光を反射するガラス窓の明るさは、目覚めたばかりの瞳には少しまぶしい。 カチ…カチ…カチ… 壁に掛かった時計が、心音よりもゆったりとしたリズムで時を刻む。 朝の緩やかな空気のなか、小鳥のさえずりがそのリズムに無邪気に戯れる。 こんな朝は簡単な小説でも開きながら、レコードでもきいてみよう。 窓を横切る鳥の影を追いながら、残り一口のハムエッグをグイっと放り込んだ。