一日

一日の始まりに夢中で沢山の言葉を拾い集めました それを積み上げてそれを組み立ててなんとか形にしてみたの キラキラ光るあの木漏れ日に憧れて葉や水面や地面にぶつかって跳ねて遊ぶあの日の輝きに憧れて 碧く遠く佇むあの山々の雄々しさに抱かれてその向こ…

ショーウインドウ

憧れの向こうに別の私を見る 届かないだってガラス張りだから 不意に映る背景は灰色の雨にくすんでいる すれ違う傘の人々の憂うつな流れを飛び越えて 雨を感じ自由を感じ踊ろうか きっと私はここにいるこうして生きていくんだ 跳ね返った水が雲間から差した…

希望

身支度はできたかい慣れ親しんだ今を後にして目新しい場所へ どんなに美しいだろうかどんなに素晴らしいだろうか 目の前の景色にいったい何を見るのか 美しい心の君ならきっと幻だってすくい上げるさ 探し物は見つかったかい 胸をいっぱいに膨らませうれしさ…

恋草

会えない日々はあなたが恋しいなんて ねぇダーリン いつでも私を想ってほしいなんて ねぇ… そんな渇望なんて伝わらないように必死に隠して 吐息で夜を落ち着かせ静かに含んだ空気は膨らんでいったいどこにいくの …寂しい夜は側にいてほしいなんて ねぇダーリ…

形而上の風景

僕は見たんだ かつての詩人が残した詩の中に長く伸びた影と遊ぶ少女のその後ろ姿を 彼女はどこにいったのか 僕は見たんだ かつて描かれた絵画の無機質なマネキンとそれを取り囲む物質に生命が宿るのを 彼らはいったいどこに行ってしまったのか 僕は見たんだ …

野生

光る夜の野生の動物たちが静かにうごめく 息を潜めて暗闇の中をまるで幻影のように自らを見つけられるのを避けるかのように ともし火をまぶたに宿しながら閉じた瞳にはまだ星空の残像が残るんだ うごめく夜を感じてふいにざわめく危機感に命の尊さを思う 全…

ツバメ

私は私を愛せるかな静かな雨を窓越しに見ながら今日も思う そっと目を移した先の止まり木にツバメが三羽、四羽 沙霧のような雨に羽を休めて時折、たわむれ合ってる いつかは冬を越え心地の良い環境を目指すのだろう 季節を渡る雨が夏をつれてきてそしてまた…

好きなこと

いつしかこの惑星は今来た流星軌道を大きく逸れ新たな航路を目指した 孤独を感じるようなひどく広い未知の空間がそれでも続いていく あぁ、なんて広いんだろう そうだ、星と星をつないで見慣れない音階を探そう 近づく輝きが目の前を浮かび上がらせ次第に明…

欲しいもの

大事にしたいものがふえてく大切にしたいものがふえてく でも… 「欲しいものは全部手に入れない方が良かったりするでしょ」 そんなセリフがステキだなって思うそんなセリフがもどかしく思う でも、手を伸ばした先にそれがあるのならもしそれに触れられるのな…

生きる

生きる事の意味が最近少しずつ分かって来た気がする 美しいもの、心地よいものを残していく努力をする事なのかもしれない 「月の光も雨の音も恋してこそ新しい色と響きを生ずる」(永井荷風) もしかしたら生きる事って恋をする事なのかもしれない 先人のそ…

存在

光のおもかげを捉えるもう、とうの昔に行き去った幻影に 僕らの思考はゆれ動く 影の実体を掴むその波打つ鼓動に光を当てようとして 僕らの思考は飽和する 心地よい疲れが残るんだ 考えあぐねてぐちゃぐちゃになった僕の頭は それでも何かを求めて終いには停…

まぼろしかなたゆたって、呼吸して ここにいるよ 口をつぐんだままでそっと手を伸ばした つかめるかな ゆらりゆらり 手を伸ばした距離にあなたがいたからうれしくて、うれしくてギュっと抱きよせたの

あくび

君がうまく笑えない日には君を笑わせてあげられる自信などはないけどそれでも君が楽しくなるように笑っていようと思う そんなことを思っている夜のとばりに何かが凝り固まる 呼吸は必然的にゆっくり大きくなる 僕ら身を寄せ合ってお互いの体温にホッとするん…

多く

もっともっとと必要以上を望んだ人を私は知っている でも、多くを欲した人のその後を私は知らない 多分、あれは私の幻影だったのかもしれない 「もし今日、世界がほろんだらどうする」 なすべきことをし終わりを迎えようと思う そしてきっとぼくはこう答える…

いびつ

いびつなものまで愛そう 間違ったとしても引き返して正しい道を進めばいい 見上げる空はただ優しくて 溢れそうなものを抑えるように 仰いだ空をそのまま見続けたんだ

汽車

あの日のノスタルジーの風景に思いを馳せて 汽車がモクモクと白煙を巻き上げる遠くの方の鉄道橋を行きすぎる 影のようにまで落ち着いたアーチのシルエットに汽車の窓から灯火が溢れる 乗客は様々で、小さくでもすごく精巧な作り物のようにも映る あたり全体…

成長

きれいなピアノの旋律に花がふってくると思うふわふわとたゆたってキラキラと輝いて 白い光を乱反射して きっと夢中で歩いてきたんだもの君にふってきたんだと思う 雨は土をうるおして光は緑をはぐくんで 君は大きくなった 闇が孤独に気づかせて光の輝きを強…

星座

君は気づいていたんだね僕が僕であることに 君が君であるのと同じように きっと君は優しいから 目印になるようにと夜空に散りばめた星の名前を教えてくれたのかい どこにいても思い出せるように ちゃんと憶えているよ

誰のための法なんだ常識が僕を縛る いったい何のための法なんだ日常が自由を追いやる 僕は忘れっぽいきっと、すぐ忘れてしまう(うそ、忘れたふりをしただけだ) 僕は怒りっぽいきっと、目をつむることは出来ない(ほんと、理不尽なことは嫌い) 感情が僕を…

花瓶

冷たく、ヒンヤリとした陶器の花瓶が言う 「死を思え」 誰に向けてではなくその言葉を外へと発散している しかし、その冷気はそれとは裏腹にとても美しい 生けられた花が野生の精気をたたえたままただその冷気によってか美しくそこにあり 静かに静かにゆっく…

約束の場所

僕たちは変わらないと誓ったずっと変わらないと誓ったんだ 目の前には10年前と変わらない君がいた あの日空が降ってきたあの日 すべてはあの青の中にのまれた 僕は激しい動悸とうれしさとで息をするのも苦しい 青い空が降ってきてそしてすべてのものを白い光…

私は誰いったい誰になるの あなたは 分からなくて、聞いてみたの 誰に何を 分からなくて必死につくってみたの 手探りでつくりあげてみたの そう創作とは自己欠如の肯定である でも… 何をつくったの 誰につくったの そう、詩とは拡散する自己イメージである

自然

自然が好き目を見張るような大自然の絶景から足元に咲く名もない花の健気な美しさまで 朝わくわくするような昇り陽のゆっくりと色づいていく世界から気怠い午後の後退的な夜と昼との入れ替わりまで 世界にまるで不自然なことはない 君に惹かれるのは自然なこ…

難解な詩はいや彼女は言った 楽しいことが好き彼女は微笑んだ 人を蔑めることは嫌い彼女は目を伏せて そして口を噤んだんだ 照れくさいから好きって言わない彼女は無邪気に笑った でも幸せだと不安になることがあるの彼女は目を逸らして空を見た 難解な思い…

都会の夜

時が空間が思考が 君と僕を隔てる 都会の生活今が収縮する 君の不安と僕の孤独が街の輪郭をなぞる こんな暗い夜には君にそばにいてほしい 都会の夜が君と僕を隔てる 光が微かに拡散する闇が拡大をつづける すべての存在が収縮する こんな不安な夜は君がそば…

人生観

死にたいとは思わないけど、死にたくないとごねる訳でもない ただ人生があるだけだ 生きる希望があるそこには幸せがある ただの幻想にすぎないのかもしれない しかしまたその幻想に浸っていたいと思うのもヒトだろう 幸せなんて語るものではないただそこにあ…

物語

君は言う死ぬまでにやりたいことが沢山あるその一つが 「いつか、自分の本を出してみたいの」 君は言う 「どんな形でもいいからそれを形にしたいの」 僕は思う 君の中にどんな物語が潜んでいるんだろう君の中にどんな想いが潜んでいるんだろう 君の紡ぐ言葉…

夢を見たそう久しぶりに夢を見たもう夢なんて見ないような毎日を繰り返していた 機械的に寝るもう疲れを取るためかどうかも分からなくなっていた でも、どうしてだろう 突然に彼女の夢を見た彼女は笑っていたのかなそれとも怒っていたのかな 彼女の顔が目の…

YOU

君に触れてしまったら何か壊れてしまいそうで 君を感じてしまったら僕はうれしくてそれだけでもおかしくなってしまいそうで 大切にしたいと思うほど愛おしいんだ もう、君に出会ってしまったから君がいない世界なんてもう過去になってしまう訳で 今の僕の世…

うずき

この感情に実感が欲しいこの胸の奥に生まれた、このうずきをどうしても言葉にして伝えたいんだ でも、この言葉を伝えたら何だか終わってしまうのが怖くて… そのままでいるのも気持ちが溢れてきてどうしようもなくて もちろん君のこともこの気持ちも大切に思…