好きなこと

いつしかこの惑星は
今来た流星軌道を大きく逸れ
新たな航路を目指した

孤独を感じるような
ひどく広い未知の空間が
それでも続いていく

あぁ、なんて広いんだろう

そうだ、星と星をつないで
見慣れない音階を探そう

近づく輝きが
目の前を浮かび上がらせ
次第に明るい白に飲み込まれていく

夢などではない
私が目覚めたのは幻じゃない

どうやらなすべき事は
いつもそこにあった

吐息を昇華させ
真新しい一日に歓びを

僕ら瞬間に生きて
自覚すらしないで

欲しいもの

大事にしたいものがふえてく
大切にしたいものがふえてく

でも…

「欲しいものは全部手に入れない
方が良かったりするでしょ」

そんなセリフがステキだなって思う
そんなセリフがもどかしく思う

でも、手を伸ばした先にそれがあるのなら
もしそれに触れられるのなら
いくらでも、何度でも僕は手を伸ばすよ

生きる

生きる事の意味が
最近少しずつ分かって来た気がする

美しいもの、心地よいものを
残していく努力をする事なのかも
しれない

「月の光も雨の音も恋してこそ
新しい色と響きを生ずる」
永井荷風

もしかしたら生きる事って
恋をする事なのかもしれない

先人のその一言に
今、ハッとした自分がいた

うれしい
こんな風に考えている事に
そう思わせてくれる出会いが
あったことに感謝したい

新しく映る月を見て
君にこう伝えたいんだ

月がきれいですね」

きっと君ならこの言葉の意味を
分かってくれるから

存在

光のおもかげを捉える
もう、とうの昔に
行き去った幻影に

僕らの思考はゆれ動く

影の実体を掴む
その波打つ鼓動に
光を当てようとして

僕らの思考は飽和する

心地よい疲れが残るんだ

考えあぐねて
ぐちゃぐちゃになった
僕の頭は

それでも何かを求めて
終いには停止する

浅くなった呼吸から
深く深く空気を吸い込んで
ゆっくりとはき出した

もう休もうと思う

まぼろしかな
たゆたって、呼吸して

ここにいるよ

口をつぐんだままで
そっと手を伸ばした

つかめるかな

ゆらりゆらり

手を伸ばした距離にあなたがいたから
うれしくて、うれしくて
ギュっと抱きよせたの

あくび

君がうまく笑えない日には
君を笑わせてあげられる
自信などはないけど
それでも君が楽しくなるように
笑っていようと思う

そんなことを思っている
夜のとばりに何かが凝り固まる

呼吸は必然的に
ゆっくり大きくなる

僕ら身を寄せ合って
お互いの体温にホッとするんだ

そして次第に泡のようになって
朝の希望に満ちて
浸透するような透明な光に

細胞に体温が満ちるように
また活動を始める

こんなにも一日の始まりは
優しいのかなと思って
入れたての紅茶にほっと一息ついた

あ〜あ…

言葉にならないものがふとこぼれ出す

多く

もっともっとと
必要以上を望んだ人を
私は知っている

でも、多くを欲した人の
その後を私は知らない

多分、あれは
私の幻影だったのかもしれない

「もし今日、世界がほろんだらどうする」

なすべきことをし
終わりを迎えようと思う

そしてきっとぼくはこう答える
「君のとなりで笑っていたいよ」